浮世絵から抜け出した女性たち
作者の永野 智氏は、平成9年に「卯立の工芸館」が現在の場所に移築・復元された後、和紙の里に構えた工房にて、和紙人形の創作に日々過ごされました。
鳥の子紙を丹念に揉み、着物の形を作って模様や色を染め、顔や手足は、自ら型を作り焼いた磁器でできています。
その繊細で緻密な表現は、作者の卓越した技とともに、越前鳥の子紙のしなやかで強靭さがなせるが故でありましょう。
今回の展示では、「人形はケースに入れずに飾ってほしい」との永野氏の願いで、25年の時をそのままの姿で過ごした作品や、磁器を焼いた当時の道具も含め大小10体あまりの展示をいたします。
鳥の子紙の展示もいたしますので、一枚の和紙から人形へと生命が吹き込まれていくさまを感じ取っていただければ幸いです。